英語表現 "I'd love to" の意味と成り立ちを説明します。
1. "I'd love to" の2つの意味
"I'd love to" の意味(使い方は)次の2つです:
- お返事 ・・・「よろこんで」や「ぜひとも」
- 願望 ・・・「ぜひとも~したいもんだなあ」や「ぜひ~したいものだね」
次に、この2つの使い方の用例を記載します。
1.1.「お返事」
"I'd love to" の使い方の1つは、「何かを誘われて、その申し出を(少なくとも表面的には意欲的に)受ける」です。
この使われ方の "I'd love to" は「よろこんで」や「ぜひとも」と訳すと良いでしょう。
用例
Apple: Could I really?
Fiona: Yes, of course. Would you like to?
Apple: Well, I'd love to. If you really don't mind.
アップルちゃん: いいの? 本当に?
フィオナさん: もちろんよ。着たい?
アップルちゃん: うん、ぜひお願いするわ。本当にそれで構わないのならね。
Rotala: No I'm not. What are you planning to do?
Echinodorus: I'm going to see a musical. Would you like to come?
Rotala: Sure, I'd love to!
ロタラちゃん: 用事は無いわ。 どんな予定かしら?
エキノドルスくん: ミュージカルに行くんだ。 いっしょに来るかい?
ロタラちゃん: もちろん、喜んで!
1.2.「願望」
"I'd love to" のもう1つの使い方は、「ぜひとも~したいものだなあ」という願望の表明です。
用例
2. 解説
2.1. "I'd love to" の成り立ち
"I'd love to" は "I would love to" が短縮された表現です。
would
"I would love to~" の "would" は仮定法に用いられる "would" です。 この点についてはセクション 2.3. に後述します。
love to~
"I would love to~" の "to~" は不定詞の名詞的用法(~すること)です。
"to~" の「~」の部分に入るのは動詞。 「to +動詞」という組み合わせが「~すること」を意味する名詞になります。
その名詞が動詞 "love" の目的語になります。
2.2. 省略
"I'd love to" の後ろに動詞が存在しないなら、"to" の後ろに動詞が省略されています。 どんな動詞が省略されているかは、文脈や状況から必ず明らか(なはず)です。
例えば、前記のボールドウィンさんが登場する例文では、"I'd love to if I could" の "to" と "if" の間に "quit acting(俳優を辞める)" が省略されています。"quit acting" が3回繰り返さるとクドいですし、"I'd love to" の後の "quit acting" と "if I could" の後の "quit acting" は省略しても文の意味を理解できます。 ゆえにオリジナルの例文では "quit acting" の使用を初回の1度だけにとどめ後の2回では "quit acting" を省略しています。
2.3. もともとは仮定法
"I'd love to" という表現は条件節(もし~だったら)を伴う場合と伴わない場合があります。 この点を次で見ていきましょう。
「お返事」の "I'd love to" の場合
誘われた時の返事(よろこんで、ぜひとも)としての "I'd love to" は仮定法過去の「もし~だったら」の部分が省略されるのが常です。省略される「もし~だったら」の内容は「もしあなたが構わないなら(If you didn't mind)」や「もしご迷惑でないなら(If it didn't bother you)」などだと考えられます。
「願望」の "I'd love to" の場合
「ぜひとも~したいものだなあ」の意味の "I'd love to" は条件節が残る場合と残らない(省略される)場合があります。
セクション 1.2. で挙げた「願望」の3つの例文を、もう1度見てみましょう。
条件節が残っていない
"if I could be a mother" が丸ごと省略されています。
条件節が残っている
"if we ever had enough money" と "have" が過去形の "had" になっていることから、この文が仮定法過去であることがわかります。
条件節が残っている
"I'd love to if I could, yeah." の "if I could" の部分が仮定法過去の「もし~だったら」の部分に当たります。
"That would be the greatest thing in the world... if I could find something else to do." も条件文です。 このボールドウィンさんの発言には条件文が2つ存在します。
2.4. 類似表現 "I'd like to"
"I'd love to" の類似表現に "I'd like to(~したいものだ)" があります。 "like" よりも "love" のほうが感情の程度が強いので、"I'd like to" よりも "I'd love to" の方が意欲的な表現です。
"I'd like to" も "I'd love to" と同じく仮定法過去を用いるフレーズです。