質問: "that that" というふうに "that" が2回続くことは、あり得ますか?
回答: あり得ます。
詳しくは以下をご覧ください。
1. "that that" の正体は?
"that that" の1つ目の "that" は接続詞(名詞節を導く "that")または関係代名詞です。
"that that" の2つ目の "that" は代名詞(それ)または形容詞(その~)です。
他にもパターンがあるかもしれませんが、基本的にはこんな感じです。
以下に記載する豊富すぎる例文と解説で、"that that" の使われ方を掴んでください。 例文と説明の量が多いので要注意です。
2. 例文
2.1. 正しい "that that"
1つ目の "that" が同格の "that"
# 1つ目の "that" は同格の "that" です。 「"doubt" の内容が "that choice was the correct one" だ」という関係を示します。
"a doubt that that choice was the correct one" を直訳すると「その選択が正しいものだった(のか)という疑い」です。 「という」の部分が1つ目の "that" です。
2つ目の "that" は「その、あの」という意味の形容詞(限定詞)です。1つ目の "that" が接続詞
# 1つ目の "that" は名詞節を導く接続詞です。
2つ目の "that" は「その、あの」という意味の形容詞。 "that purpose" は、その前に出ている "a purpose" を指しています。
"realize" はここでは「実現する」の意味。 "by virtue of~" は「~により、~のおかげで」といった意味。so that
# "that that" の1つ目の "that" は、"so that~" という構文の一部です。
"so that~" の訳し方は「~できるように、~するように」。 "so that~" の "that"(接続詞)は省略が可能です。(例. "so that you can fly(君が飛べるように)" → "so you can fly")
"that that" の2つ目の "that" を含有する "that person" は "the alleged infringing party" を指します。 "party" は「当事者」という意味です。 "person" が意味する「人」は個人も法人も指し得ます。 "party(当事者)" と "person(人)" とで意味の範囲が重なるので、"that person(その人)" で "the alleged infringing party" を指し示せます。rather that
# 1つ目の "that" は名詞節を導く接続詞で、2つ目の "that" は「あれ、それ」を意味する代名詞です。
"rather" を取り去り "I would say that that is fortunate." とすると、1つ目の "that" が "say that~" の "that" であると分かりやすいでしょう。2つ目の "that" が "that which" の一部
# 1つ目の "that" は名詞節を導く接続詞で、2つ目の "that" は代名詞(あれ、それ)です。
"that that which" の "that which" は関係代名詞の "what(~なもの)" に置き換え可能で、そのように置き換えると次の通り:
"...thinking that what does not make a profit is without value"
"what does not make a profit" の意味は「利益を生まないモノ」。一見間違いに思えるが...
# この例文は間違っていません。 "that" などの指示形容詞は人名などの固有名詞にも使えるので、「that that + 固有名詞」 という連続はあり得ます。
1つ目の "that" は名詞節を導く接続詞で、2つ目の "that" は「あれ、それ」を意味する代名詞です。 "that Mary" で「そのメアリー」。1つ目の "that" が関係代名詞
2つ目の "that" が "that" という言葉
# Merriam-Websterという辞書から拾ってきた一文です。
この例文では、2つ目の "that" が「"that" という言葉」の意味です。 それが理由で斜字(イタリック)体になっています。 1つ目の "that" は同格の "that"。総集編
# 例文中の数字は、説明のため私が追加したものです。 この例文の5つの "that" の機能は次の通り:
(1)・・・名詞節を導く "that"
(2)・・・「その」
(3)・・・'that' という言葉
(4)・・・関係代名詞
(5)・・・「あの」2.2. 文章が間違っている "that that"
次のようなミスのために "that that" という語の並びになることが結構あります:
- "that" が1つでいいのに、間違えて2回繰り返す。
- "than that" の書き間違いで "that that" になっている。
こういう "that that" は文章が間違っているので、どれだけ頭を捻っても理解できません。
以下に、文章ミスとしての "that that" の例文を記載します。間違えて2回繰り返す
# この "that that" は正しくは "that" 一回です。
"that that" の後ろに前置詞が続くので、"that that" が文章の間違いだとすぐに分かります。裁判所の文章にもミス
# "that that" の後ろに定冠詞 "the" が来ているので、一目でミスとわかります。
カリフォルニアの裁判所のサイトで見つけた文です。 このように信頼性が高いはずの文書であっても、文章上のミスが発生します。ミスじゃない可能性も無くはない
# この "that that" も正しくは "that" 一回です。
しかし、文脈によっては "that that you" が正しいこともあり得ます。 その場合の訳は、Dale said that that you didn't even have herpes." は「デイルは、あのキミがヘルペス(感染症)ではないと言った。」です。
"you" などの人称代名詞は "this you(このあなた)" や "that me(その私)" といった具合に、指示形容詞としての "this" や "that" などと共に使われる得るので、"that that you" という表現が間違いでないケースもあり得なくはありません。"than that" のタイプミス
# ネットの古着売買の書き込みでしょう。
この "that that" は "than that" の間違いです。 "other than" の "than" を "that" と打ち間違えたのでしょう。 "rather than that" と書こうとして "rather that that" になるケースもあります。